ISBN:4102209018 文庫 福田 恒存 新潮社 1984/09 ¥380

実際の画像はこれとは全然違います。

ISBN:4003210522 文庫 藤沢 令夫 岩波書店 1967/01 ¥420

のほうです。でも画像がないとさみしいのでこれにしました。
画像のやつは、アンティゴネも入っているし…

さて、早速オイディプス王を読破しました。
次はジッド「狭き門」を読み終わろうかと。

しかしこれ、神話か世界の名作か微妙な線だと思う
のですが…今日買った「世界の神話101」(新書館)に
ギリシア神話として扱われてたので、神話扱いにします。

では、ネタバレ含みつつ感想を書いていきます。

少し字が違う気がするんですけど、これはフロイトの
「エディプス・コンプレックス」の語源となった話
です。このコンプレックスは、男の子は幼児期の体験
とかから、父親を憎んで母親と一緒になりたいという
欲望を持っているという意味だったと思うけど…
父親を殺して母と交わったオイディプスの話ですね。
「現代思想の冒険者たち」のラカンでも、オイディプスの
ことが出てきたので、いちおう予備知識として読んで
おきました。

内容としては、まず、オイディプスの話以前に、
ライオスという王の話があります。この話はなぜか、劇中
には出てこない(オイディプス王というのは、元々劇場で
やるような劇のひとつだったようですが)。

元々、書きものとしてあったかどうかは知らない。
話を書いて残した人はいるかもしれないですね。

ライオスはアポロンの神託を受けて(この頃は、色々と
国事とか私事にしても、神託を受けて判断することが多かった
ようだ。しかし、神託とかって、まるっきり外れて
ボロが出たりしなかったのかと訝ってしまうのだけど(^_^;))

ライオスは、その神託で、自分が生まれた子供に殺される
運命にある、という旨を知らされるのだけど、それでも
子供作ってしまったらしく、やむなく谷に捨てて来い
と、家来に依頼して捨てさせたそうです。
なんで目の前で殺しておかないのか、とも思うけど、
それはギリギリの親心でしょうね。

結局、オイディプスは羊飼いに拾われて別の国で育ち、
ライオスは殺されるのだけど。

なぜライオスを殺すことになったか。それは、オイディプス
自身も神託を受け、父を殺して母と交わる運命にあると
知らされたから。建前上、オイディプスにとっては、
拾われた国の王と妃が父・母ということになっていて、
オイディプス自身はそれを信じていたから、神託を
恐れて国から離れまくったのです。誠実な人ですな。
その道中でライオスに合い、ひともんちゃくあって、
お互い父と子ということを知らずに殺してしまった。

それで、たどり着いたテバイという国が、丁度スフィンクス
という乙女の顔、翼を持つ獅子の姿をした怪物に危機に
さらされていた。答えがたい問いを投げかけて、答えない
テバイの国民を食い殺しまくっていた。

そこにオイディプスが登場したわけです。
有名なスフィンクスの問いは、オイディプスが解いた
ものなんです。

よく、「最初は4本足、次に2本足、最後は3本足で歩く
動物なんだ?」というナゾナゾとして紹介されるけど、
原文はこう。

「一つの声をもち、二つ足にしてまた四つ足にしてまた
三つ足なるものが地上にいる。地を這い空を飛び海を泳ぐ
ものどものうちこれほど姿・背丈を変えるものはない。
それがもっとも多くの足に支えられて歩くときに、
その肢体の力はもっとも弱く、その速さはもっとも遅い」

これに対する答えも、けっこう長い歌として伝えられてる
そうです。

それで、このテバイという国の王は、実はオイディプスが
ここに来る前に殺したライオスでした。ライオスが死んだ
という報せの後にスフィンクスが来てえらいことになって
いたので、スフィンクスを斥けた英雄オイディプスが
王になった。それで、母であるイオカステを妻にめとります。

かくして、神託は実現したわけです。

実は「オイディプス王」の内容としては、この後のいきさつ
だけが書かれてます。もちろんこの本自体には、訳者による
ライオス王のあらすじも書かれてますが、実際の劇を見る人は、
前段の話はもう知っているものとして演られてるみたいです。

劇中では、上述のとおり、妻が母であることを知り、
オイディプスが破滅していくさまが描かれます。

長くなったのでその2に。

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