クロード・レヴィ=ストロース(1908〜1992)。もうかなり、
最近の人ですね。
構造主義といえばこの人。

ラカンとかバルト、あとアルチュセールなんかも所によっては
有名なのかな…そのあたりにも関わるので、構造主義を考える
際に重要な、戦後のフランス思想の状況について解説しておきます。

ラカンバルトってあれですね、ゼノがつくナニですね。

昭和堂では、あまり歴史的な考察は入らないのだけど、
はじめての哲学史だとそのあたりによく触れる。

ドイツによる占領下の抵抗運動と、フランス解放運動に
かかわってきたフランスの知識人は、サルトルに代表される
主体的な決断と実存の思想に魅惑されていたそうだ。

サルトルはポンティと一緒に「レ・タン・モデルヌ」を
発行してましたね。

それで、実存主義において決断の価値を決定するのは、
「歴史」という理念だったという。そうだったっけかな。
サルトルはそんな感じもしたかも。

人間の歴史は、例えば人間の解放と疎外の克服のような
一定の目的を備えた運動であり、この歴史の方向に沿って
決断し、行動することが、真の意味での人間の自由だと
考えられた。

うーん、ちょっと危ないかもね。革命思想に繋がりそう
っていうか…

こうした、倫理的な装いのマルクス主義という傾向のある
実存主義に、やがて深刻な疑問が抱かれるようになってきた。

人間が直面する錯綜した状況において、果たして主体的な
決断だけで、問題が解決できるかどうかが、疑問視されて
きたのだ。

それで、ならどうするか?

これに対して最初の疑問を呈したのは、文化人類学の
レヴィ=ストロースだった。ストロースはソシュールや
ヤコブソンの言語学の方法に学び、未開社会における
婚姻と神話を分析しながら、社会は人間の意志的な決断
よりも、無意識的な構造によって構成されていることを
明らかにした。

どういうことだろうか?

未開社会には、近親相姦の禁止の原則に基づいた、複雑な
婚姻制度がある。これがなんのためにあるか外側から
観察すると、これは1つの社会が内部で閉じてしまうこと
なく、他の社会と交流をもつ必要性に基づいて構築された
ものであることが分かるが、しかしそれは社会の内部の
成員には、意識されないものとして存在しているのである。

つまり、自然発生的というか、生活の中で刷り込まれた
知恵というか、そう、無意識的というか。

ストロースはこの仕組みをフロイトの精神分析(無意識では
おなじみですな)とか、言語学の音韻論に基づいて分析し、
このような社会の構造の次元にある規則が、社会の成員には
無意識的なものになっていること、そしてこうした社会では、
主体の決断や歴史の目的より、社会の構造の機能のほうが
重要な意味をもつことを明らかにしたのである。

言われてみれば、それはその通りだ。
社会の構造は、必ずしも成員が自覚的に作るものだけではない。

この構造を研究対象とするから、構造主義なんですね。

続きはその2へ。

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