≪現代思想(2)−構造主義・レヴィ=ストロースについて<その1>−≫
2004年8月25日クロード・レヴィ=ストロース(1908〜1992)。もうかなり、
最近の人ですね。
構造主義といえばこの人。
ラカンとかバルト、あとアルチュセールなんかも所によっては
有名なのかな…そのあたりにも関わるので、構造主義を考える
際に重要な、戦後のフランス思想の状況について解説しておきます。
ラカンバルトってあれですね、ゼノがつくナニですね。
昭和堂では、あまり歴史的な考察は入らないのだけど、
はじめての哲学史だとそのあたりによく触れる。
ドイツによる占領下の抵抗運動と、フランス解放運動に
かかわってきたフランスの知識人は、サルトルに代表される
主体的な決断と実存の思想に魅惑されていたそうだ。
サルトルはポンティと一緒に「レ・タン・モデルヌ」を
発行してましたね。
それで、実存主義において決断の価値を決定するのは、
「歴史」という理念だったという。そうだったっけかな。
サルトルはそんな感じもしたかも。
人間の歴史は、例えば人間の解放と疎外の克服のような
一定の目的を備えた運動であり、この歴史の方向に沿って
決断し、行動することが、真の意味での人間の自由だと
考えられた。
うーん、ちょっと危ないかもね。革命思想に繋がりそう
っていうか…
こうした、倫理的な装いのマルクス主義という傾向のある
実存主義に、やがて深刻な疑問が抱かれるようになってきた。
人間が直面する錯綜した状況において、果たして主体的な
決断だけで、問題が解決できるかどうかが、疑問視されて
きたのだ。
それで、ならどうするか?
これに対して最初の疑問を呈したのは、文化人類学の
レヴィ=ストロースだった。ストロースはソシュールや
ヤコブソンの言語学の方法に学び、未開社会における
婚姻と神話を分析しながら、社会は人間の意志的な決断
よりも、無意識的な構造によって構成されていることを
明らかにした。
どういうことだろうか?
未開社会には、近親相姦の禁止の原則に基づいた、複雑な
婚姻制度がある。これがなんのためにあるか外側から
観察すると、これは1つの社会が内部で閉じてしまうこと
なく、他の社会と交流をもつ必要性に基づいて構築された
ものであることが分かるが、しかしそれは社会の内部の
成員には、意識されないものとして存在しているのである。
つまり、自然発生的というか、生活の中で刷り込まれた
知恵というか、そう、無意識的というか。
ストロースはこの仕組みをフロイトの精神分析(無意識では
おなじみですな)とか、言語学の音韻論に基づいて分析し、
このような社会の構造の次元にある規則が、社会の成員には
無意識的なものになっていること、そしてこうした社会では、
主体の決断や歴史の目的より、社会の構造の機能のほうが
重要な意味をもつことを明らかにしたのである。
言われてみれば、それはその通りだ。
社会の構造は、必ずしも成員が自覚的に作るものだけではない。
この構造を研究対象とするから、構造主義なんですね。
続きはその2へ。
最近の人ですね。
構造主義といえばこの人。
ラカンとかバルト、あとアルチュセールなんかも所によっては
有名なのかな…そのあたりにも関わるので、構造主義を考える
際に重要な、戦後のフランス思想の状況について解説しておきます。
ラカンバルトってあれですね、ゼノがつくナニですね。
昭和堂では、あまり歴史的な考察は入らないのだけど、
はじめての哲学史だとそのあたりによく触れる。
ドイツによる占領下の抵抗運動と、フランス解放運動に
かかわってきたフランスの知識人は、サルトルに代表される
主体的な決断と実存の思想に魅惑されていたそうだ。
サルトルはポンティと一緒に「レ・タン・モデルヌ」を
発行してましたね。
それで、実存主義において決断の価値を決定するのは、
「歴史」という理念だったという。そうだったっけかな。
サルトルはそんな感じもしたかも。
人間の歴史は、例えば人間の解放と疎外の克服のような
一定の目的を備えた運動であり、この歴史の方向に沿って
決断し、行動することが、真の意味での人間の自由だと
考えられた。
うーん、ちょっと危ないかもね。革命思想に繋がりそう
っていうか…
こうした、倫理的な装いのマルクス主義という傾向のある
実存主義に、やがて深刻な疑問が抱かれるようになってきた。
人間が直面する錯綜した状況において、果たして主体的な
決断だけで、問題が解決できるかどうかが、疑問視されて
きたのだ。
それで、ならどうするか?
これに対して最初の疑問を呈したのは、文化人類学の
レヴィ=ストロースだった。ストロースはソシュールや
ヤコブソンの言語学の方法に学び、未開社会における
婚姻と神話を分析しながら、社会は人間の意志的な決断
よりも、無意識的な構造によって構成されていることを
明らかにした。
どういうことだろうか?
未開社会には、近親相姦の禁止の原則に基づいた、複雑な
婚姻制度がある。これがなんのためにあるか外側から
観察すると、これは1つの社会が内部で閉じてしまうこと
なく、他の社会と交流をもつ必要性に基づいて構築された
ものであることが分かるが、しかしそれは社会の内部の
成員には、意識されないものとして存在しているのである。
つまり、自然発生的というか、生活の中で刷り込まれた
知恵というか、そう、無意識的というか。
ストロースはこの仕組みをフロイトの精神分析(無意識では
おなじみですな)とか、言語学の音韻論に基づいて分析し、
このような社会の構造の次元にある規則が、社会の成員には
無意識的なものになっていること、そしてこうした社会では、
主体の決断や歴史の目的より、社会の構造の機能のほうが
重要な意味をもつことを明らかにしたのである。
言われてみれば、それはその通りだ。
社会の構造は、必ずしも成員が自覚的に作るものだけではない。
この構造を研究対象とするから、構造主義なんですね。
続きはその2へ。
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