≪近代哲学(12)−カントについて<その4>−≫
2004年7月29日<その3からつづき>
さて、さきの「純粋理性の二律背反」、微妙に反論も考えられ
そうだが、たぶん純粋理性批判ではもっと厳密な証明がなされて
いる。原著読んでないので分からないけど…
ただこの辺、入門書とかによっても解釈が色々あったりして、
たとえば自由は近代社会の個人における意味(?)を指し、
二律背反は矛盾せずともに成立する、という解釈も見たことが
ある。
─っていうかこれは実は哲学史には載ってない証明なので、
以前カントの入門書で見た内容を思い出しつつ即興で考え
ました。違ってるかもしれない…不安。
1と4にも似たような証明があります。いずれにせよ、
これは人間が考えても答えが出ないことが証明された、
ということです。
実はこれって画期的なことで、昔からずーーっと哲学者が
考えてきた、世界の始まりとか、この世の果てとか、
世界は無機質で決定的なのかとか、物質の根源は何なのか
とか、それらの問いを、
「答えが出ない、なぜなら正しいとも間違ってるとも
証明できるからだ」(また同時に、それはカテゴリーの
中であれこれ論理をいじってるにすぎない、という
意味でも、答えが出ないと言える)
とバッサリ切り捨ててしまったからなんですね。
なので、カント以後、このようなことは哲学的問題として
問われなくなりました(と思います)。
既に客観的実在から、主観のありかたに視点変更が
成されているにもかかわらずこのダメ押しなので、
多分考えられてはいないと思います…。いや、わからない
ですが。
こういった理性の限界を示すとともに、人間になぜ普遍的な
理解が可能なのか、主客一致は可能か、について明確な答えを
出した功績は非常に大きいでしょう(もちろん、これで
完成したわけではないです。カントも偉大な哲学者ですけど、
それだけに批判者がこの後続々登場します。ただし、彼が
示した、理性の陥る二律背反は、たぶん破られていないです)。
ちなみに、「人間が信念をかたちづくる仕組みはどうなっている
のか?」という問いがまだ解決していませんね。
実はこれは、この後に登場することになる「現象学」という
哲学の大きな分野に譲られることになります。
さて、カントのひとつの大きな業績を見たところで、
次の2.道徳哲学の創始にいきましょう。
しかしめちゃくちゃ長くなりますね。細かく扱ってる
ということもあるけど、やはりカントの業績はすごい。
さて少し余談でした。つぎ、その5にいきます。
さて、さきの「純粋理性の二律背反」、微妙に反論も考えられ
そうだが、たぶん純粋理性批判ではもっと厳密な証明がなされて
いる。原著読んでないので分からないけど…
ただこの辺、入門書とかによっても解釈が色々あったりして、
たとえば自由は近代社会の個人における意味(?)を指し、
二律背反は矛盾せずともに成立する、という解釈も見たことが
ある。
─っていうかこれは実は哲学史には載ってない証明なので、
以前カントの入門書で見た内容を思い出しつつ即興で考え
ました。違ってるかもしれない…不安。
1と4にも似たような証明があります。いずれにせよ、
これは人間が考えても答えが出ないことが証明された、
ということです。
実はこれって画期的なことで、昔からずーーっと哲学者が
考えてきた、世界の始まりとか、この世の果てとか、
世界は無機質で決定的なのかとか、物質の根源は何なのか
とか、それらの問いを、
「答えが出ない、なぜなら正しいとも間違ってるとも
証明できるからだ」(また同時に、それはカテゴリーの
中であれこれ論理をいじってるにすぎない、という
意味でも、答えが出ないと言える)
とバッサリ切り捨ててしまったからなんですね。
なので、カント以後、このようなことは哲学的問題として
問われなくなりました(と思います)。
既に客観的実在から、主観のありかたに視点変更が
成されているにもかかわらずこのダメ押しなので、
多分考えられてはいないと思います…。いや、わからない
ですが。
こういった理性の限界を示すとともに、人間になぜ普遍的な
理解が可能なのか、主客一致は可能か、について明確な答えを
出した功績は非常に大きいでしょう(もちろん、これで
完成したわけではないです。カントも偉大な哲学者ですけど、
それだけに批判者がこの後続々登場します。ただし、彼が
示した、理性の陥る二律背反は、たぶん破られていないです)。
ちなみに、「人間が信念をかたちづくる仕組みはどうなっている
のか?」という問いがまだ解決していませんね。
実はこれは、この後に登場することになる「現象学」という
哲学の大きな分野に譲られることになります。
さて、カントのひとつの大きな業績を見たところで、
次の2.道徳哲学の創始にいきましょう。
しかしめちゃくちゃ長くなりますね。細かく扱ってる
ということもあるけど、やはりカントの業績はすごい。
さて少し余談でした。つぎ、その5にいきます。
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