≪近代哲学(10)−ロックについて−≫
2004年7月27日つぎ、ロック。イギリス経験論のロックとたぶん同じです。
彼は「人間知性論」のほかにも「統治論」という本も書いていて、
ここで社会契約説が説かれるわけです。これはフィルマーという
人の王権神授説(君主の権力は神から授けられた絶対のものであり、
教皇など他の権力から制約されないとする思想)に反駁する
目的で書かれたという。
この「統治論」でもまず自然状態から話がはじまるが、ロックの
想定する自然状態は、自由で平等な状態。そこでは自立した自由な
人間が、平等で互恵的な関係を結んでいる。
しかし、さすがに争いが生じないとは考えなかった。この関係も
不安定なので、この不安定さを解消するために必要なのは、
「1つの共同社会に入り、1つの政治体をつくることを相互に同意する
契約だけだ」とロックは言っている。
またロックは、働きによって得たものは、その働いた人のもの、と
主張した最初の人で、神から授かった共有物(自然)に労働をつけ加えた
人が、それを私的所有できる権利がある、と考えた。
また、財産は神聖不可侵であるとも主張した。
今では当たり前のこの考え方だが、ロックがはじめて主張したそうな。
働いて得たものは、それが使用できる範囲内で、自分のものである。
例えば食べ物とかなら、食べてしまうまでとか、腐ってしまうまでだが
…これが、貨幣ならどうだろうか?これは、働いて得た価値を、その
価値を保証してくれる共同体がいる限り、ほぼ永久に保持できる
ことになる。
地獄の沙汰も金次第という考えもこのへんから始まったわけでしょうか。
勃興しつつある成金というか、ブルジョア市民階級にとってはかなり
都合がいい思想で、彼らの思想的拠り所となった。
人々は、その所有物を平和かつ安全に共有するために、契約によって
政治的社会(市民社会)をつくり、所有権を保護するために「信託」に
よって公権力(政府)を設立する。ロックは立法府(議会)を
行政府(王権)より優位においた。
いまの議院内閣制という近代の政治運営方式は、ロックによってその
理論的基礎が与えられたという。
また議会や政府が、所有権の保障と安全の確保という信託の目的に反した
場合は、国民は議会や政府を変更できるとされた(抵抗権)。
ホッブズとは違って、所有権を守るために、というところがポイント
だろうか。
この抵抗権は、のちの市民革命の政治理論となったし、所有権を確保し
守るために人々が同意(信託)によって政治社会を形成できるというロックの
理論は、近代市民国家の政治原論となり、生命・自由・幸福追求の権利と
政府の改廃(抵抗権)をうたったアメリカ独立宣言にも強く影響を及ぼした
という。
確かに、自然状態とか国の好き勝手できる状態よりは、こっちのほうが
いいですな。
彼は「人間知性論」のほかにも「統治論」という本も書いていて、
ここで社会契約説が説かれるわけです。これはフィルマーという
人の王権神授説(君主の権力は神から授けられた絶対のものであり、
教皇など他の権力から制約されないとする思想)に反駁する
目的で書かれたという。
この「統治論」でもまず自然状態から話がはじまるが、ロックの
想定する自然状態は、自由で平等な状態。そこでは自立した自由な
人間が、平等で互恵的な関係を結んでいる。
しかし、さすがに争いが生じないとは考えなかった。この関係も
不安定なので、この不安定さを解消するために必要なのは、
「1つの共同社会に入り、1つの政治体をつくることを相互に同意する
契約だけだ」とロックは言っている。
またロックは、働きによって得たものは、その働いた人のもの、と
主張した最初の人で、神から授かった共有物(自然)に労働をつけ加えた
人が、それを私的所有できる権利がある、と考えた。
また、財産は神聖不可侵であるとも主張した。
今では当たり前のこの考え方だが、ロックがはじめて主張したそうな。
働いて得たものは、それが使用できる範囲内で、自分のものである。
例えば食べ物とかなら、食べてしまうまでとか、腐ってしまうまでだが
…これが、貨幣ならどうだろうか?これは、働いて得た価値を、その
価値を保証してくれる共同体がいる限り、ほぼ永久に保持できる
ことになる。
地獄の沙汰も金次第という考えもこのへんから始まったわけでしょうか。
勃興しつつある成金というか、ブルジョア市民階級にとってはかなり
都合がいい思想で、彼らの思想的拠り所となった。
人々は、その所有物を平和かつ安全に共有するために、契約によって
政治的社会(市民社会)をつくり、所有権を保護するために「信託」に
よって公権力(政府)を設立する。ロックは立法府(議会)を
行政府(王権)より優位においた。
いまの議院内閣制という近代の政治運営方式は、ロックによってその
理論的基礎が与えられたという。
また議会や政府が、所有権の保障と安全の確保という信託の目的に反した
場合は、国民は議会や政府を変更できるとされた(抵抗権)。
ホッブズとは違って、所有権を守るために、というところがポイント
だろうか。
この抵抗権は、のちの市民革命の政治理論となったし、所有権を確保し
守るために人々が同意(信託)によって政治社会を形成できるというロックの
理論は、近代市民国家の政治原論となり、生命・自由・幸福追求の権利と
政府の改廃(抵抗権)をうたったアメリカ独立宣言にも強く影響を及ぼした
という。
確かに、自然状態とか国の好き勝手できる状態よりは、こっちのほうが
いいですな。
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