当然だが、哲学史がどのような歩みを経てきたのか、俺としてはまだ
詳しくつかみ切れない。とりあえず、紀元前に隆盛した、ギリシャ
哲学の三大ビッグネーム、ソクラテス・プラトン・アリストテレスは
語り終えた。

この三人と、そのほかの哲学者が、この後どう影響していくのか?
いつまで、影響力を大きく行使していたのか?まだ俺にはよく
わからない。アリストテレスにかんしては2000年といわれているが
物理学とか生物学はそうだとしても、哲学にかんしてはどうだろうか。
これも2000年だろうか。さあ、どうだろう。

また、時代背景もすごく影響している。
キリスト教、イスラム教の元となったユダヤ教が生まれたのは、
ユダヤ人が古来からずっと、ほかの勢力のある民族に圧制を
布かれていたからだという背景があるそうだ。

自分で一から考え直し、権威にすがったりせず、納得いく論理のみを
信用するという、哲学においてすら、そういう時代背景の影響は
非常に大きいと見るべきだと思う。

タレスがB.C.600年ごろで、ソクラテスがB.C.450年ごろ、
最後のアリストテレスがB.C.350年ごろ。
ここまでで大体300〜250年くらいの歳月が流れた。
世界史はまだ勉強していないので、このころどういったことが
あったのか、俺はよく知らない。けっこう痛いことだ。

ちなみに、次のストア派とか、エピクロス派とかに入ってくると
紀元後、A.D.になるまでほとんど哲学に大きな進展はなかったようで
ある。さきの三人のような、哲学界に衝撃をもたらすような
ビッグネームが出現しなかったということだろうか。
将棋のこまで言うと、金とか銀はいるが、飛車角がおらんかった
ということかも。

紀元後に最初にでてくるのは、アウグスティヌス。
なんかキリスト教関連で知っている人はいるだろうか。この人が
A.D.350年ごろの人である。で、その次のトマス・アクィナスに
なると、もう1250年ごろになる。この空白の900年間は一体?
と思うが、世界史的に、ギリシャ哲学になんの進展も無かった
何か要因があるのかもしれない。

また、アジアなどの哲学はそのころも発展はしていたかもしれない。
とりあえず、アリストテレス没後の西洋哲学においては、おそらく
この後に紹介するストア派などの各派閥と、あるいはキリスト教
哲学の、ふたつの考え方が支配的(支配的という意味では、
たぶんキリスト教は強力だっただろうなあ)だったのではないか
と思う。

デカルトの登場までは、三人のビッグネームの再解釈か、
もしくはキリスト教とギリシャ哲学の調停が、哲学であった
という面があるようだ。

 
蛇足ですた。ストア派にはいります。

ストア派の創始者はゼノン(B.C.335頃〜B.C.263頃)。
ちょっと前に、パルメニデスの主張をいっしょうけんめい補強しようと
してた、「アキレスと亀」のパラドックスを作ったエレア派の
ゼノンて人がいたけど、もちろん別人。

彼は最初、キニク派のクラテスって人の弟子になった。

キニク派とは何か。ここでちょっと時代は戻るけど、ソクラテスの
ところで、プラトン以外にも弟子がいたことにもちょっと触れました。

プラトン以外の人もさまざまな説をあげていて、それぞれが
ソクラテスの哲学を自分流に解釈していた。そのひとつが、
キニク派だったわけです。
(ちなみに、これは昭和堂の詳しいほうには出てこない学派。
哲学史、真剣に取り組むと無数に学派が見つかりそうですな)

このキニク派の主張はちょっとおかしくて、「人間にとって
重要なのは幸福に生きることだ」というソクラテスの教えを、
「人間は自然にしたがって生きるべき」という考えに発展させ、
人為(人間の力でつくったもの)を徹底的に嫌い、ボロの布切れ
一枚をまとって、キニク(犬のような、恥知らずの)生活を送った
という。

世間一般に通用するような権威や富とか価値観を、徹底的に
皮肉るこのような態度を、のちにシニシズムと呼ぶようになった。

キニク派のなかでもディオゲネスって人は、「犬のディオゲネス」
と呼ばれ、酒樽に住むという徹底振りだったとか。

ただ、わりとこの人たちは町の人に好かれていたらしい。
いまはホームレスって疎まれる時代なのにね。

 
で、ゼノンは弟子だから、その境地を目指したのかどうか、
といえば、考え方は近いものをもっていたが、そこまで生活を
人為から切り離すのは間違ってると考えた。

結局、キニク派が否定した「学問」をすれば、その考え方から
一歩踏み出せると思い、これもソクラテスのひとつの解釈である
メガラ派のスティルポンて人に従事したという。

そしてその後、ゼノンはストア・ポインキレー(彩色柱廊)で
講義をはじめたことから、ストア派と呼ばれるそうだ。

ちなみに、ストア派にも、前、中、後があって、ゼノンはもちろん
前ストア派だ。けっこうストア派は息が長かったらしく、A.D.150年
ころの、マルクス・アウレリウス帝に至るまで続いたらしい。

さて、哲学史の敷衍と余談でその1が埋まってしまった。
その2で軽く思想をみていきます。

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